Sweet Room~貴方との時間~【完結】
モカブラウンの告白
「では、図面とデザイン画をクライアントにお渡しします。ここから、また修正があると思いますが、どうぞよろしくお願いします」
中野先輩が会議室のテーブルに広げられている資料を丸めながら言った。
今回は私が中野工房へ来ている。図面関係が中野先輩の手元にあったためだ。
とりあえず、向こうの意向を汲み取った上で、デザインが完成し、一安心。でも、これで終わりではない。クライアントがこのままでお願いしますということは、まずあり得ない。大体、4割から5割は変更という形になる。酷い時は全変更という時もある。修正部分を聞くと心折れそうになることもある。でも、それを乗り越えてできあがったデザインは、私の誇りになる。
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
腕時計を見た中野先輩が「そろそろ昼だな。昼飯、一緒にどうだ」と言った。
お腹も空いた頃だし、こっちでお昼を食べて事務所に戻るのがちょうどよさそうな時間帯だった。
「そうですね」
「よし、それなら俺がよく行くお店に連れて行くよ」
中野先輩はジャケットを着ると「混むといけないから、ちょっと小走りな」と言った。
中野先輩のあとを小走りで追う。やっぱり男の人の小走りは早い。その上、中野先輩は背も高いから、それに比例するように脚も長い。運動神経があまり良くない私はすでに“小走りか”ら“普通に走る”に変わっていた。
中野先輩が会議室のテーブルに広げられている資料を丸めながら言った。
今回は私が中野工房へ来ている。図面関係が中野先輩の手元にあったためだ。
とりあえず、向こうの意向を汲み取った上で、デザインが完成し、一安心。でも、これで終わりではない。クライアントがこのままでお願いしますということは、まずあり得ない。大体、4割から5割は変更という形になる。酷い時は全変更という時もある。修正部分を聞くと心折れそうになることもある。でも、それを乗り越えてできあがったデザインは、私の誇りになる。
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
腕時計を見た中野先輩が「そろそろ昼だな。昼飯、一緒にどうだ」と言った。
お腹も空いた頃だし、こっちでお昼を食べて事務所に戻るのがちょうどよさそうな時間帯だった。
「そうですね」
「よし、それなら俺がよく行くお店に連れて行くよ」
中野先輩はジャケットを着ると「混むといけないから、ちょっと小走りな」と言った。
中野先輩のあとを小走りで追う。やっぱり男の人の小走りは早い。その上、中野先輩は背も高いから、それに比例するように脚も長い。運動神経があまり良くない私はすでに“小走りか”ら“普通に走る”に変わっていた。