Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「後輩のデザイナーです。中野先輩も何度か会ってますよね。応接室に案内したり、資料を運んで来たりしているんで」
「あの彼か。ちょっと意外だな。佐伯が年下って」
「そうですか? 私は特に年齢なんて気になりませんけど。彼、私よりしっかりしていますから」
 私は小さな虚勢を張った。女はずっと年齢を気にする生き物なんだから。好きな人と年齢差があれば尚更。
 お茶を一口飲んで中野先輩が口を開いた。

「佐伯が気にしてなくても、彼氏の方は気にしてると思うよ。男は女を守るために常に強くありたいと思うから。いくつ離れてるの?」
「3つです」
「へえ、若いな。結婚とか、考えてるの?」

 中野先輩は質問攻めにするようなタイプではない。今日は矢継ぎ早に私への質問が飛んでくる。
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