Sweet Room~貴方との時間~【完結】
午前の業務が終わり、お昼休みになった。デスクを軽く片付け、お財布をカバンから出す。
何気なく杉山の方を見る。杉山は敏腕営業マンの松下さんに絡まれて、迷惑そうな顔をしていた。
あの松下さんには誰も勝てないわよね。
オフィスビルを出て、扉の前で何を食べようかなと空を見上げる。
「何してるんだよ」
「松下さん」
「どこで食べようかなと考えていて」
「じゃあ、一緒に食べるか?」
「はい」
「定食屋でいいか?」
「はい」
松下さんの後について行くと、少し古ぼけた定食屋さんが見えてきた。年月が木材を渋みのある色に変えていた。定食屋『まちいろ』という看板は、よく見ないと文字が見えない。
「びっくりしただろ。古い店で」
「ええ。でも、こういうお店、好きです。隠れた名店って感じで」
なかに入ると店内は外観とは違い、思っていた以上に明るかった。多分、内装だけやり変えたんだろうな。アイボリーの壁紙。古いと見ればすぐ分かるこのイスとテーブル。でも大切に使ってきたのだろうと感じる温もりを持っていた。このテーブルでたくさんの人が仕事へ向かう力をもらっていったのかもしれない。
何気なく杉山の方を見る。杉山は敏腕営業マンの松下さんに絡まれて、迷惑そうな顔をしていた。
あの松下さんには誰も勝てないわよね。
オフィスビルを出て、扉の前で何を食べようかなと空を見上げる。
「何してるんだよ」
「松下さん」
「どこで食べようかなと考えていて」
「じゃあ、一緒に食べるか?」
「はい」
「定食屋でいいか?」
「はい」
松下さんの後について行くと、少し古ぼけた定食屋さんが見えてきた。年月が木材を渋みのある色に変えていた。定食屋『まちいろ』という看板は、よく見ないと文字が見えない。
「びっくりしただろ。古い店で」
「ええ。でも、こういうお店、好きです。隠れた名店って感じで」
なかに入ると店内は外観とは違い、思っていた以上に明るかった。多分、内装だけやり変えたんだろうな。アイボリーの壁紙。古いと見ればすぐ分かるこのイスとテーブル。でも大切に使ってきたのだろうと感じる温もりを持っていた。このテーブルでたくさんの人が仕事へ向かう力をもらっていったのかもしれない。