Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「うん。でも新婚旅行先、いい加減決めないと、予約取れなくなっちゃうよ」
旅行サイトを凝視している涼太の体を揺らしながら言う。3月の半ば、はっきり言って、人気のホテルや観光スポットの近くのホテルは、空きを待つ状態だ。
「スウィートって、高いな。新婚旅行は1日でいいから、スウィート泊まりたい」
「それ、私が酔っぱらって面倒見てくれた時も言ってたよね」
「うん。俺の小さな野望」
それ野望だったんだ。あのときは、ちょっと興味があるだけですよみたいな感じだったのに。結構、本気だったんだ。
「別に、そんなにスウィートに拘らなくてもいいじゃない。いつか泊まれるよ」
まだ、納得していない涼太はパソコンを見ている。
「ねえ、知ってる?」
「うん? 何を?」
「私、3月くらいから、毎日、スウィートルームに泊まってるんだよ」
涼太は私の顔を見て、意味がわからんという顔をした。
「スウィートルームの“Suite”は“ひと組”って意味でしょう。夫婦は2人でひと組。つまりね、涼太が一緒にいる部屋は、私にとってのスウィートルームなの」
私が涼太の顔を覗き込むと、耳から首まで真っ赤にしていた。
「涼太が照れてる!」
「うるさいよ」
「照れてる! 照れてる!」
もう一度、涼太は「うるさい」と言って、私を抱きしめてきた。
「それなら、俺も毎日泊まってるよスウィートルーム。俺は“甘い”って意味の“Sweet”だけどな」
旅行サイトを凝視している涼太の体を揺らしながら言う。3月の半ば、はっきり言って、人気のホテルや観光スポットの近くのホテルは、空きを待つ状態だ。
「スウィートって、高いな。新婚旅行は1日でいいから、スウィート泊まりたい」
「それ、私が酔っぱらって面倒見てくれた時も言ってたよね」
「うん。俺の小さな野望」
それ野望だったんだ。あのときは、ちょっと興味があるだけですよみたいな感じだったのに。結構、本気だったんだ。
「別に、そんなにスウィートに拘らなくてもいいじゃない。いつか泊まれるよ」
まだ、納得していない涼太はパソコンを見ている。
「ねえ、知ってる?」
「うん? 何を?」
「私、3月くらいから、毎日、スウィートルームに泊まってるんだよ」
涼太は私の顔を見て、意味がわからんという顔をした。
「スウィートルームの“Suite”は“ひと組”って意味でしょう。夫婦は2人でひと組。つまりね、涼太が一緒にいる部屋は、私にとってのスウィートルームなの」
私が涼太の顔を覗き込むと、耳から首まで真っ赤にしていた。
「涼太が照れてる!」
「うるさいよ」
「照れてる! 照れてる!」
もう一度、涼太は「うるさい」と言って、私を抱きしめてきた。
「それなら、俺も毎日泊まってるよスウィートルーム。俺は“甘い”って意味の“Sweet”だけどな」