Sweet Room~貴方との時間~【完結】
17時20分くらいに本日の業務終了。さて、帰るか。カバンを持ったところで、左肩に長い腕が乗った。その反動で左半身が不自然に下がる。
「ちょっと何ですか。松下さん」
うちの敏腕営業マンの松下さんがこうするときに言うことは決まっている。
「飲みに行こう。奢ってやる」
やっぱり。
「今日は予定がありまして」
「今朝、社長に毎晩暇だって言ってたよな」
あれ聞かれんたんだ。社長に「仕事ばっかりだと彼女に逃げられるぞ」って言われた時に、俺が言ったやつだ。営業をしてるせいで培われた能力か、ただの地獄耳なのか。
「分かりました。行きますよ。喜んでご馳走になります」
「そうと決まれば行くか」
松下さんが腕を退かしてくれたおかげで体が自由になる。敏腕営業マンに気がつかれないように、小さく溜息を吐いてオフィスのドアを開けた。
「ちょっと何ですか。松下さん」
うちの敏腕営業マンの松下さんがこうするときに言うことは決まっている。
「飲みに行こう。奢ってやる」
やっぱり。
「今日は予定がありまして」
「今朝、社長に毎晩暇だって言ってたよな」
あれ聞かれんたんだ。社長に「仕事ばっかりだと彼女に逃げられるぞ」って言われた時に、俺が言ったやつだ。営業をしてるせいで培われた能力か、ただの地獄耳なのか。
「分かりました。行きますよ。喜んでご馳走になります」
「そうと決まれば行くか」
松下さんが腕を退かしてくれたおかげで体が自由になる。敏腕営業マンに気がつかれないように、小さく溜息を吐いてオフィスのドアを開けた。