Sweet Room~貴方との時間~【完結】
 人生相談のようなことを言ってしまった俺に向かって、曲者社長が話し始めた。

「私は『シルバー・ラボ』の調理器具を提供していいと思う条件は『料理と人のつながり』を感じている人です。あなたはその条件を満たす人です。そしてペンションのオーナーである広岡さんも同じでしょう。杉山さんの話を聞いていて確信しました。『ARAI DESIGN』と契約します。我社の調理器具で調理した料理が、ひとりでも多くの人に幸せをすることを願っています」
 曲者社長は立ち上がり、両手を俺の前に差し出した。俺も立ち上がり、その手を両手で握手する。
「よろしくお願いします」
 何だかよくわからないけれど、涙が出そうになった。
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