Sweet Room~貴方との時間~【完結】
 12月25日、仕事を定時に終わらせ、あの公園へ向う。『natural jewelry』のプレオープンセレモニーの帰りの寄った公園。
 あの時は桜が奇麗だった。今は濃い茶色の太い枝しかない。

 コートのポケットの中からキーホルダーを2つ出す。手の中で寄り添うように2匹の動物がいた。自然界では弱肉強食の世界。この動物がこんなふうに近くに居たら、確実に食べれられるぞ。片方の動物を指で突っつく。


 ベンチに座り、足元を見ていると、黒いハイヒール現れた。黒いハイヒールからゆっくり上へと視線を上げる。

「奈央美」
 ベンチから立ち上がり、1歩前へ出る。
「来てくれて、ありがとう」
 奈央美は無言で首を横に振った。

「奈央美、俺の話が全部終わるまで聞いて欲しい」
「わかった」と小さな声が返ってきた。

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