Sweet Room~貴方との時間~【完結】
私の少し後を歩く杉山は不思議そうな顔で周りを見ていた。それもそうだ。ここは住宅街。こんな所に食事ができる場所があるとは思えない。
「杉山、ここ」
指差したレストランは個人宅にしか思えない外装。それを見た杉山は「えっ」という顔をしていた。
「こんにちは」
「佐伯さん、いらっしゃいませ」
オーナー兼シェフの守屋さんが笑顔で厨房から出てきた。守屋さんはクマに似ている。野生の熊ではなくて、クマのぬいぐるみ。料理でも癒されるけど、人柄でも癒される。多分、人柄が料理に出ているんだと思う。
「こんにちは。今日は後輩が一緒なの。メニューはお任せで。美味しいものお願いします」
「かしこまりました。お好きな席へどうぞ」と守屋さんは言うと、厨房の中に消えていった。
杉山と一番奥の席にある2人用のテーブルに、向かい合って座る。
「あの、佐伯さん。知り合いのお店なんですか?」
「うん。私が初めて設計したの。それ以来、よくここに来るのよ」
「そうなんですか」
杉山は天井や壁を、しげしげと観察している。
「そんなに見られると恥ずかしいんだけど」
「恥ずかしいって。自分が自信を持って作り上げたものでしょ?」
「そうだけど。昔の自分を見られているみたいで恥ずかしいの」
「ああ、卒業アルバム見られた感じですか?」
「そう。完璧にそれ」
私たちは、同時にクスクスと笑った。
「杉山、ここ」
指差したレストランは個人宅にしか思えない外装。それを見た杉山は「えっ」という顔をしていた。
「こんにちは」
「佐伯さん、いらっしゃいませ」
オーナー兼シェフの守屋さんが笑顔で厨房から出てきた。守屋さんはクマに似ている。野生の熊ではなくて、クマのぬいぐるみ。料理でも癒されるけど、人柄でも癒される。多分、人柄が料理に出ているんだと思う。
「こんにちは。今日は後輩が一緒なの。メニューはお任せで。美味しいものお願いします」
「かしこまりました。お好きな席へどうぞ」と守屋さんは言うと、厨房の中に消えていった。
杉山と一番奥の席にある2人用のテーブルに、向かい合って座る。
「あの、佐伯さん。知り合いのお店なんですか?」
「うん。私が初めて設計したの。それ以来、よくここに来るのよ」
「そうなんですか」
杉山は天井や壁を、しげしげと観察している。
「そんなに見られると恥ずかしいんだけど」
「恥ずかしいって。自分が自信を持って作り上げたものでしょ?」
「そうだけど。昔の自分を見られているみたいで恥ずかしいの」
「ああ、卒業アルバム見られた感じですか?」
「そう。完璧にそれ」
私たちは、同時にクスクスと笑った。