Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「杉山、携帯わすれて……。啓介(けいすけ)」
目の前には元彼が立っていた。
「何の用?」
「入れてくれないの?」
啓介からはアルコールの匂いがした。目を見れば赤く充血している。夜通し飲んでいたのは一目瞭然だった。
「お酒飲んでるの? お酒臭い人を部屋に入れる気はないから。帰って」
「話があるんだ」
「私にはない」
啓介の体を押して、ドアを閉めようとした。でも、女の力なんて男には勝てない。ドアに片足を引っ掛けて無理矢理部屋に入ってきた。
「ちょっと、帰って言ってるでしょ。早く出て行って!」
何を言っても啓介は無言だった。そして1歩1歩、無言でこっちへ近づいてくる。彼から感じる雰囲気がおかしいと思った。付き合っている頃は、いつも笑顔で、酔うほどお酒を飲む人ではなかった。
どんどん近づいてくる啓介から離れようと後ろへ下がる。ソファに足を取られ、逃げ道をなくした。初めて啓介を恐いと思った。
とにかく逃げなくちゃ。
そう思ったときは遅かった。一瞬で身動きが取れなくなる。啓介がのしかかってきた。両手は固定され、太ももや腰も啓介の両足に挟まれて動けない。それでも手と足をばたつかせる。そして唯一、自由に使える声を荒げた。
目の前には元彼が立っていた。
「何の用?」
「入れてくれないの?」
啓介からはアルコールの匂いがした。目を見れば赤く充血している。夜通し飲んでいたのは一目瞭然だった。
「お酒飲んでるの? お酒臭い人を部屋に入れる気はないから。帰って」
「話があるんだ」
「私にはない」
啓介の体を押して、ドアを閉めようとした。でも、女の力なんて男には勝てない。ドアに片足を引っ掛けて無理矢理部屋に入ってきた。
「ちょっと、帰って言ってるでしょ。早く出て行って!」
何を言っても啓介は無言だった。そして1歩1歩、無言でこっちへ近づいてくる。彼から感じる雰囲気がおかしいと思った。付き合っている頃は、いつも笑顔で、酔うほどお酒を飲む人ではなかった。
どんどん近づいてくる啓介から離れようと後ろへ下がる。ソファに足を取られ、逃げ道をなくした。初めて啓介を恐いと思った。
とにかく逃げなくちゃ。
そう思ったときは遅かった。一瞬で身動きが取れなくなる。啓介がのしかかってきた。両手は固定され、太ももや腰も啓介の両足に挟まれて動けない。それでも手と足をばたつかせる。そして唯一、自由に使える声を荒げた。