Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「大丈夫ですか?」
 落ち着いた私を見て、遠慮がちに聞いてきた。

「うん。ありがとう。本当にありがとう」
「いいんですよ。シャワー浴びて、着替えた方がいいんじゃないですか?」
「うん。そうする。杉山、もう少し一緒にいてくれる?」
 今の私には、1人でいる気力はない。だから杉山にもう少し甘えたかった。

「います。勝手に帰ったりしませんから。ゆっくりシャワー浴びてきてください」
「ごめんね」
「佐伯さんは謝ることなんて1つもしてないでしょ」と言って、私の肩に手を回して立ち上がるのを助けてくれた。おかげで何とか立ち上がる。体がゆらゆらした感じのまま、着替えを持った。
「俺、リビングにいるんで、何かあったら呼んでください」
「うん。飲み物とか飲みたければ、勝手に冷蔵庫開けていいから」
「はい。俺のことは気にしなくていいですから」
「うん」

 バスルームに入り、体を包んでいたネイビーのコートをハンガーにかけた。
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