Sweet Room~貴方との時間~【完結】
――ヴヴヴヴヴヴヴ
見つめていた携帯が小さな振動で着信を知らせる。それを見て「ね、大丈夫でしょ」と、また杉山は笑った。
「ちょっと、すみません。もしもし」
電話の相手はどうやらお姉さんらしい。面倒くさそうな口調で、今日の夕ごはんの話をしていた。
「わかったよ。あ、ちょっと待って」
杉山は一旦携帯を離し「今、姉からの電話なんですけど、今日、姉と夕飯食べるんで、佐伯さんもどうですか?」と言ってきた。
「えっ、でも、家族水入らずで、じゃないの?」
「違いますよ。姉と2人で食べても美味しくないし、佐伯さんも是非」
「いいの? 本当に?」
「はい」
無碍に断るのも悪いし、何より今日は1人でいる時間を少しでもなくしたかった。
「じゃあ、お言葉に甘えて」と答えると、携帯をまた耳に当てて「姉ちゃん、俺の職場の先輩も誘っていい?」と聞いた。少しやり取りをして、杉山は私に向かって軽く頷いてくれた。
通話を切ると「これからどうしますか? 夕方まで、どこか行きますか?」と、杉山が聞いてきた。時計を見ると、まだ11時前。夕ごはんまではかなり時間がある。
「ねえ、夕ごはんって杉山の家で食べるの?」
「はい。もし外が良ければ、そうしますけど」
「ううん。今から杉山の家に行ってもいいかな? ここにいるのはちょっと気が重いの。でも、どこかに行って気晴らしする気力もなくて」
図々しいお願いなのは百も承知で言った。
見つめていた携帯が小さな振動で着信を知らせる。それを見て「ね、大丈夫でしょ」と、また杉山は笑った。
「ちょっと、すみません。もしもし」
電話の相手はどうやらお姉さんらしい。面倒くさそうな口調で、今日の夕ごはんの話をしていた。
「わかったよ。あ、ちょっと待って」
杉山は一旦携帯を離し「今、姉からの電話なんですけど、今日、姉と夕飯食べるんで、佐伯さんもどうですか?」と言ってきた。
「えっ、でも、家族水入らずで、じゃないの?」
「違いますよ。姉と2人で食べても美味しくないし、佐伯さんも是非」
「いいの? 本当に?」
「はい」
無碍に断るのも悪いし、何より今日は1人でいる時間を少しでもなくしたかった。
「じゃあ、お言葉に甘えて」と答えると、携帯をまた耳に当てて「姉ちゃん、俺の職場の先輩も誘っていい?」と聞いた。少しやり取りをして、杉山は私に向かって軽く頷いてくれた。
通話を切ると「これからどうしますか? 夕方まで、どこか行きますか?」と、杉山が聞いてきた。時計を見ると、まだ11時前。夕ごはんまではかなり時間がある。
「ねえ、夕ごはんって杉山の家で食べるの?」
「はい。もし外が良ければ、そうしますけど」
「ううん。今から杉山の家に行ってもいいかな? ここにいるのはちょっと気が重いの。でも、どこかに行って気晴らしする気力もなくて」
図々しいお願いなのは百も承知で言った。