Sweet Room~貴方との時間~【完結】
――ガチャガチャ
玄関の鍵が開く音と共に「ただいま! 涼太、夕飯は?」と言う声が聞こえた。
「姉ちゃん、ただいまの次は飯かよ」
杉山は呆れ返った感じで言った。
「いいじゃん。ああ、失礼しました。いつも弟がお世話になっております。姉の宏実(ひろみ)です」
お姉さんは深々と頭を下げて、挨拶をしてきた。私もソファから立ち上がる。
「いえ、私も弟さんにはいろいろと助けてもらっています。佐伯奈央美です。先日は、ホテルの方でいろいろとお世話になりました。ご挨拶もせず、失礼しました」
「気にしないでください。あの、堅苦し挨拶はこのくらいにしませんか。敬語とか気にしなくていいんで。私のことはお姉さんでも宏実でも、好きに呼んで。私はナオちゃんってよんでいいかな?」
「もちろん」
「そう、よかった。着替えてこよう」
宏実さんは自分の部屋に入って行った。ドアが閉まると、杉山が苦笑いをしていた。
「なんか騒がしい姉ですみません。くだらないこととかよく言うんで、そういうのは適当に無視して構いませんから」
「明るくていいお姉さんじゃない。それに弟思いだし。ああいう屈託のない人、私はすごく好きよ」
着替えてきた宏美さんは「お腹空いた」と連呼していた。杉山は「うるせえよ!」と言って、エプロンを着けた。
姉弟(きょうだい)のやり取りを見て、笑いを堪らえるのに必死だった。
玄関の鍵が開く音と共に「ただいま! 涼太、夕飯は?」と言う声が聞こえた。
「姉ちゃん、ただいまの次は飯かよ」
杉山は呆れ返った感じで言った。
「いいじゃん。ああ、失礼しました。いつも弟がお世話になっております。姉の宏実(ひろみ)です」
お姉さんは深々と頭を下げて、挨拶をしてきた。私もソファから立ち上がる。
「いえ、私も弟さんにはいろいろと助けてもらっています。佐伯奈央美です。先日は、ホテルの方でいろいろとお世話になりました。ご挨拶もせず、失礼しました」
「気にしないでください。あの、堅苦し挨拶はこのくらいにしませんか。敬語とか気にしなくていいんで。私のことはお姉さんでも宏実でも、好きに呼んで。私はナオちゃんってよんでいいかな?」
「もちろん」
「そう、よかった。着替えてこよう」
宏実さんは自分の部屋に入って行った。ドアが閉まると、杉山が苦笑いをしていた。
「なんか騒がしい姉ですみません。くだらないこととかよく言うんで、そういうのは適当に無視して構いませんから」
「明るくていいお姉さんじゃない。それに弟思いだし。ああいう屈託のない人、私はすごく好きよ」
着替えてきた宏美さんは「お腹空いた」と連呼していた。杉山は「うるせえよ!」と言って、エプロンを着けた。
姉弟(きょうだい)のやり取りを見て、笑いを堪らえるのに必死だった。