Sweet Room~貴方との時間~【完結】
ダイニングテーブルにカセットコンロをセットしている杉山が「できたよ」と言った。
宏実さんがテレビを消し、テーブルの上にある鍋を見ながら「あ、しゃぶしゃぶだ。弟よ、ナイスセンス」と、嬉しそうに言う。
「なにがナイスセンスだよ。手伝えよ、姉ちゃん!」
「なんで私が手伝わなきゃいけないのよ。私、お客ですけど」
「はあ? ここは実家だろ。姉ちゃんは身内だろ」
「お嫁に行って、名字が変わってるので」
「よく結婚できたよな。捨てられないように頑張れ」
「はあ? 失礼な! 幸司(こうじ)は私にメロメロなんだから」
「メロメロって」
2人の会話には隙間がない。『矢継ぎ早』と言うのはこういうことを言うんだろうな。自分が会話に混じってはいないのに、見ているだけで楽しいと思ってしまう。
「すみません。こんな変な会話」
杉山が少し照れたような顔で言ってきた。宏実さんは小声で「私と態度が違う」と言いながら缶ビールを開けている。
宏実さんがテレビを消し、テーブルの上にある鍋を見ながら「あ、しゃぶしゃぶだ。弟よ、ナイスセンス」と、嬉しそうに言う。
「なにがナイスセンスだよ。手伝えよ、姉ちゃん!」
「なんで私が手伝わなきゃいけないのよ。私、お客ですけど」
「はあ? ここは実家だろ。姉ちゃんは身内だろ」
「お嫁に行って、名字が変わってるので」
「よく結婚できたよな。捨てられないように頑張れ」
「はあ? 失礼な! 幸司(こうじ)は私にメロメロなんだから」
「メロメロって」
2人の会話には隙間がない。『矢継ぎ早』と言うのはこういうことを言うんだろうな。自分が会話に混じってはいないのに、見ているだけで楽しいと思ってしまう。
「すみません。こんな変な会話」
杉山が少し照れたような顔で言ってきた。宏実さんは小声で「私と態度が違う」と言いながら缶ビールを開けている。