Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「佐伯さん」
振り向くと、パーカーを羽織った杉山がいた。
「あ、杉山。ごめん、物音とかした? うるさかった?」
「いいえ。たまたま、目が覚めただけですから。寒くありません? 紅茶でも入れましょうか?」
「お願いします」
キッチンから戻ってきた杉山はトレーにマグカップを2つ乗せ、目の前に差し出して来た。
「どうぞ。熱いんで気をつけてください」
「ありがとう。温かい」
「眠れませんか?」
私の横に座り、杉山はコーヒーを飲みながら聞いてきた。
「うん。元彼のこと考えちゃって。なんであんなに好きだったんだろうって。なんだかいろいろ考えちゃうのよね」
「あの、俺、聞きます。なんでも聞きます」
「杉山」
「誰かに話すことで整理できることもあるし、答えが出る場合もありますから」
「誰かの相談に乗るって、その人の悩みや持っているものを一部背負うことになるのよ。それにマイナスの感情をもらってしまう。私、よく人の相談に乗るからわかるの。杉山にそういうもの」と言うと、言葉を遮るように「佐伯さん」と言われた。
杉山は真っ直ぐ私を見つめている。
振り向くと、パーカーを羽織った杉山がいた。
「あ、杉山。ごめん、物音とかした? うるさかった?」
「いいえ。たまたま、目が覚めただけですから。寒くありません? 紅茶でも入れましょうか?」
「お願いします」
キッチンから戻ってきた杉山はトレーにマグカップを2つ乗せ、目の前に差し出して来た。
「どうぞ。熱いんで気をつけてください」
「ありがとう。温かい」
「眠れませんか?」
私の横に座り、杉山はコーヒーを飲みながら聞いてきた。
「うん。元彼のこと考えちゃって。なんであんなに好きだったんだろうって。なんだかいろいろ考えちゃうのよね」
「あの、俺、聞きます。なんでも聞きます」
「杉山」
「誰かに話すことで整理できることもあるし、答えが出る場合もありますから」
「誰かの相談に乗るって、その人の悩みや持っているものを一部背負うことになるのよ。それにマイナスの感情をもらってしまう。私、よく人の相談に乗るからわかるの。杉山にそういうもの」と言うと、言葉を遮るように「佐伯さん」と言われた。
杉山は真っ直ぐ私を見つめている。