Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「杉山、どうかした?」
「なんですか?」
「今、遠い目をしてたから」
「なんでもないです。昔のこと思い出しただけですから」
「昔のこと?」
私が元彼の思い出話をしたせいで、杉山も少し感傷的になってしまったのかもしれない。
「母親のことです。小さい頃、寝付けないとき、こうやってソファに座って絵本を読んでもらったな、と思って」
「そう。杉山と宏実さんの感じだと、ご両親はとても優しい人なんじゃない?」
「まあ、優しいですね。特に母親は。体が弱くて、入退院を繰り返していたけれど、どんなときも優しい人でした。自分の体を1番に考えればいいのに、いつも家族のことばかりで。入院中も『ご飯はちゃんと食べてる?』『夜ふかししてない?』『学校はどう?』とか言ってました」
「へえ、いいお母さんね」
会ったこともない杉山のお母さんの顔を想像する。私の感だと杉山も宏実さんもお母さん似だと思う。
「だから母親が死んだときは結構きつかったな。あ、すみません。寝る前にこんなこと言って」
「ううん。いいの。私の話のせいで、ああ、ごめん」
まさか亡くなっているとは考えもしなかったから、何と言えばいいかわからなかった。
「なんですか?」
「今、遠い目をしてたから」
「なんでもないです。昔のこと思い出しただけですから」
「昔のこと?」
私が元彼の思い出話をしたせいで、杉山も少し感傷的になってしまったのかもしれない。
「母親のことです。小さい頃、寝付けないとき、こうやってソファに座って絵本を読んでもらったな、と思って」
「そう。杉山と宏実さんの感じだと、ご両親はとても優しい人なんじゃない?」
「まあ、優しいですね。特に母親は。体が弱くて、入退院を繰り返していたけれど、どんなときも優しい人でした。自分の体を1番に考えればいいのに、いつも家族のことばかりで。入院中も『ご飯はちゃんと食べてる?』『夜ふかししてない?』『学校はどう?』とか言ってました」
「へえ、いいお母さんね」
会ったこともない杉山のお母さんの顔を想像する。私の感だと杉山も宏実さんもお母さん似だと思う。
「だから母親が死んだときは結構きつかったな。あ、すみません。寝る前にこんなこと言って」
「ううん。いいの。私の話のせいで、ああ、ごめん」
まさか亡くなっているとは考えもしなかったから、何と言えばいいかわからなかった。