Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「いや、佐伯さんが謝ることじゃないし、母親が死んだのは中学の時なんで、もう自分の中でも整理がついていますから。それに話し出したのは俺ですし」
そういう風に言えるまでに杉山はどれだけ頑張ってきたんだろう。私に嫌な思いをさせないように微笑んでいるけれど、どこか寂しさが混ざっているように感じた。その顔を見ていたら、自然と体が動いた。片手を背中に回し、空いた手を頭に載せる。
「よく頑張りました。中学生のときからお父さんやお姉さんのために家事をやって。時にはやりたいこと、我慢したときもあったでしょ。偉かったね」
撫でるように手を動かすと杉山が小さく震えた。
「佐伯さん、おはようございます」
起きてリビングへ行くと、杉山は当たり前のように朝ごはんを作っていた。
「おはよう。ちょっと寝すぎちゃった。朝ごはん作るの、手伝おうと思ってたのに」
「いいですよ。そんなこと気にしなくて。佐伯さん、洗面所使ってください」
「うん」
昨日のことはお互い深くは触れない。私も何か言うつもりはないし、杉山もそんな感じだった。
洗面所で顔を洗い、軽く髪の毛をまとめた。リビングに戻ると杉山も宏実さんも座っていた。
「お待たせしちゃいましたね」
「ううん。全然、待ってないよ。食べよ。では、いただきます」と宏実さんが嬉しそうに言った。
「ああ、しみる」と言いながら味噌汁をすする宏実さんに「オヤジ」と杉山が呟く。
「涼太、今、なんか言った?」
「別に」
この2人は朝夕関係なくこんな感じなんだ。
そういう風に言えるまでに杉山はどれだけ頑張ってきたんだろう。私に嫌な思いをさせないように微笑んでいるけれど、どこか寂しさが混ざっているように感じた。その顔を見ていたら、自然と体が動いた。片手を背中に回し、空いた手を頭に載せる。
「よく頑張りました。中学生のときからお父さんやお姉さんのために家事をやって。時にはやりたいこと、我慢したときもあったでしょ。偉かったね」
撫でるように手を動かすと杉山が小さく震えた。
「佐伯さん、おはようございます」
起きてリビングへ行くと、杉山は当たり前のように朝ごはんを作っていた。
「おはよう。ちょっと寝すぎちゃった。朝ごはん作るの、手伝おうと思ってたのに」
「いいですよ。そんなこと気にしなくて。佐伯さん、洗面所使ってください」
「うん」
昨日のことはお互い深くは触れない。私も何か言うつもりはないし、杉山もそんな感じだった。
洗面所で顔を洗い、軽く髪の毛をまとめた。リビングに戻ると杉山も宏実さんも座っていた。
「お待たせしちゃいましたね」
「ううん。全然、待ってないよ。食べよ。では、いただきます」と宏実さんが嬉しそうに言った。
「ああ、しみる」と言いながら味噌汁をすする宏実さんに「オヤジ」と杉山が呟く。
「涼太、今、なんか言った?」
「別に」
この2人は朝夕関係なくこんな感じなんだ。