Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「ねえ、杉山。昨日、彼に『彼氏か?』って聞かれたとき、なんで否定しなかったの?」
 気が付けば、そんなことを言っていた。

「え?」
「あの状況なら、恋人じゃなくても、第三者が現れただけで、私は助かるから」
 杉山は何かを企んでいるような顔で、私の目の前に人差し指を立てた。

「どうしてだと思いますか? 1番、善意。2番、作為。3番、好意」と言いながら、指は1本から2本、2本から3本と立てていく。

「変な冗談言わないで。どうせ1番でしょ」
 突然の言葉に、しどろもどろと強がりが混ざったような口調でしか言えない。そんな私の様子を見た杉山は楽しそうでもあり、嬉しそうでもあった。

「どうでしょう。ヒント、2番ではありません。答えはそのうち教えます」

 私は何事もなかったかのように、青りんごのアロマキャンドルを持ってレジに向かった。
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