Sweet Room~貴方との時間~【完結】
さすが、有名ホテルの立食パーティ。料理が豪華だった。オードブル、ローストビーフ、パスタ、サラダ、フルーツ、ケーキ、アルコール。どれも美味しかった。
でも豪華な料理を食べても、杉山の手作りのお弁当の方が美味しいと思ってしまう。あの薄くもないけれど、素材の味を生かした味に、私の舌が馴染んでしまったみたい。
「佐伯さん、せっかくですからシャンパンでも飲みませんか?」
「そうね。少し飲もうか」
「持ってきますね」
アルコールのコーナーへ行く杉山の後ろ姿を眺めていると「あの」と声をかけられた。振り向くと180センチは超えていそうな長身の男性が立っている。
「こんな所で、お一人ですか?」
セレモニーパーティでナンパか、全く。こういう奴は逃げるのが一番。
「人と来ているので、失礼します」
「その方が来るまで一緒に待ちますよ。私はアクセサリーデザイナーをしていて……」
どうでもいい男のどうでもいい自慢話が始まってしまった。話を適当な所でぶった切って逃げようとするたび「ここからなんですよ」と話を続ける。あからさまに嫌な顔をしているのに全く気にしていない様子。柱にでもその自慢話をすれば、と言ってしまおうかと思った時だった。
でも豪華な料理を食べても、杉山の手作りのお弁当の方が美味しいと思ってしまう。あの薄くもないけれど、素材の味を生かした味に、私の舌が馴染んでしまったみたい。
「佐伯さん、せっかくですからシャンパンでも飲みませんか?」
「そうね。少し飲もうか」
「持ってきますね」
アルコールのコーナーへ行く杉山の後ろ姿を眺めていると「あの」と声をかけられた。振り向くと180センチは超えていそうな長身の男性が立っている。
「こんな所で、お一人ですか?」
セレモニーパーティでナンパか、全く。こういう奴は逃げるのが一番。
「人と来ているので、失礼します」
「その方が来るまで一緒に待ちますよ。私はアクセサリーデザイナーをしていて……」
どうでもいい男のどうでもいい自慢話が始まってしまった。話を適当な所でぶった切って逃げようとするたび「ここからなんですよ」と話を続ける。あからさまに嫌な顔をしているのに全く気にしていない様子。柱にでもその自慢話をすれば、と言ってしまおうかと思った時だった。