Sweet Room~貴方との時間~【完結】
 仕事が終わり、杉山と居酒屋『秋水(しゅうすい)』で夕飯を食べることにした。さすがに、前みたいに酔っ払う訳にもいかないので、飲みたいビールを我慢して烏龍茶を飲んだ。烏龍茶を頼むたび、ウーロンハイと言いたくなるのをグッと堪らえる。そして杉山のビールを物欲しそうに見ないように気をつけた。

「今日は割り勘ね」
「わかってますよ。俺、すごく腹減ってるんで、多めに頼んでもいいですか?」
「うん。杉山が食べたいの頼んでいいよ。私は、よく来てるからメニューはわかってるし、ここで食べれないものはないんで」

 杉山は店員を呼び、焼きおにぎり、刺身の盛り合わせ、キムチ、卵焼き、唐揚げ、コロッケを頼んでいた。

「すごくお腹すいてるんだね」
「はい」

 杉山は料理が来ると、育ち盛りの高校生のようにご飯を食べている。ちょっと可愛いな。
 おつまみや焼きおにぎりでお腹いっぱいになり、お勘定をして、秋水ののれんを潜った。
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