再生ゲーム・猿田夏彦のエンディング

「おっと……僕は君に復活のチャンスを持ってきたんだよ？　そのナイフを仕舞うんだね。

綾……ごめんね」


そう言い終えると、準備していたタオルとナイフをポケット取り出した。愛しい綾の唇にタオルを押し当て、とがったあごにナイフを突きつけた。


「きゃああ！　なにをするの！　せ、せんせ……はな……ぐっ!!!!」


「あんた、なに血迷ってんの！？　綾になにするの……あははっ、なにそれ？　あんたたち仲間じゃなかったの！？　あははは!!!!」


ナイフを見た綾は一粒、二粒と涙を零し、体が硬直した。それを見た僕は一旦ナイフを口に一文字で咥え、準備をしていた縄を取り出した。素早く両手を後ろに運び、細い手首に巻いた。


「綾……少し我慢してくれ……辛抱したら僕たちは幸せになれるんだ」


りんに聞こえないように、そっと綾の耳元で呟いた。すると綾の涙は止まり、おとなしくなった。


――僕を信じているってことだね。好きだよ、待っててね。


りんは、そんな惨めな綾を見ると、途端に上機嫌になり今度は缶ビールを手に取った。