再生ゲーム・猿田夏彦のエンディング
――さぁ、次は酒だ。


冷蔵庫を物色する。


「やっぱりあった、あった」


昔からりんは赤ワインが好きだった。案の定、冷蔵庫の扉を開けるとゴロゴロと眠っていた。寝かせてあるワインを一本手に取り、キッチンの引き出しからコルク栓を探した。


――可愛さあまって憎さ百倍……やっと僕の復讐が叶う。だめだ……笑いをこらえなくては。


お目当ての物が見つかると、そっとコルクを開けた。ポンッっと気持ちのいい音が鳴った。浮き立つ足を抑え、ワイングラスも手に取った。


「さぁ、りん。君は昔から赤ワインが好きだったよね。取ってきたよ、乾杯しよう!」


りんの隣に腰を掛けるとテーブルには果物ナイフが放置されていた。


少しは信用したのだろうか……まぁ、そうか。君にはわざと殺人という弱みを見せたからな。
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