彼方は、先生だけど旦那様。
私と薫様は、
リビングでそのまま
紅茶を飲んでくつろいでいます。

…相変わらずたどたどしい会話
ですが。


そんな時、薫様から
口を開きました。

「……ごめんね、恋々。」

「??」


…何を謝ってるんでしょうか?
それに薫様、前まで私のこと
「君」としか呼んでいなかったのに
今は「恋々」って
名前でよんでくれていて…。

…本当におかしな薫様。


「僕、恋々にすごく酷い態度
とってたよね…。」





「…薫様…。」



…まさか…。
そんな言葉が薫様から出るなんて…。


「僕…。
本当は、さ。…その。…。」


「は、はい…。」


薫様は何か言おうとしているけど、
なかなか言葉にしません。
何を私に伝えたいんだろう…。
全てわかったらいいのにな。



「…ん。
やっぱ、いいや。」



「…そうですか?
言いたいことがあったら何でも
言ってください!
私、薫様ともっと仲良くなりたいんです!」


そう私が言うと、
薫様は少し驚いてから
目を細め微笑み。



「そっか。…ありがと。
その…僕も恋々と…


仲良くしたい。」







「!!!!!!!」



か、薫様…。

本当にどうしたんですか!!



「で、でも薫様
前は仲良くしないって……。」

そう言ってたじゃないですか。
私、それにすごく傷ついたんですよ?




「それは…。
本当にごめん…。
僕、感情をうまくコントロール
できなくて…。」

「…そうなんですか?」

感情コントロールができない…。
なぜなんでしょう…。










「僕の小さい頃の話…
聞いてくれる?」




そう唐突に言った薫様。


それに私は、
静かに頷きました。



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