彼方は、先生だけど旦那様。

「初めまして、恋々さん。
そんなに硬くならないでいいのよっ。」

思いの外優しい声に力が抜け、
やっと顔をあげることができました。


「はっ、はいっ。」





……わあ………。




そこには人形のように整った顔が…。

少しうねった綺麗な黒髪短髪。
色白の肌。
切れ長の目……。
氷のように無表情なその顔。

……この方が薫様なのね…。

「なに?」

!!!!!!



「い、いやなんにもないですっ!!」


しまった…つい顔に見入ってしまった…
それにしても薫様の声…冷たい…泣
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