彼方は、先生だけど旦那様。
私は無意識のうちに出て行こうとしている薫様の左手を握っていました。
「そんなこと言わないでください。
…一緒に寝ましょ?
明日もはやいんでしょう??」
少し見開かれる薫様の瞳。
「しょうがないな。
そこまで言うなら寝てやる。」
そう言った薫様の顔は、さっきよりも
赤みがましていて…。
「ふふっ。はいっ。」
こんな強気なこと言ってるけど、
私が握った手を緩く握り返してくれた
薫様。