彼方は、先生だけど旦那様。
心なしか、お母様、お父様もどこか寂しそうな顔をしているような気がします。
そんなしんみりとした雰囲気の中、話しはじめたのはお父様でした。
「恋々。恋々とこうして朝食を食べれなくなると思うととても辛いよ。
もっと恋々の成長する姿を見ていたかった。…でもごめんな。この呉服屋は
父から受け継いだ大切な大切なものなんだ。お父さんは、この伝統を次へ受け継がなければならない。それが、お父さんの使命なんだ。……わかってくれるな?」