彼方は、先生だけど旦那様。

いつも穏やかで優しくて…。
でも多くは語らないお父様。
こんなにも話しているお父様は、久しぶりに見るかもしれません。
そんなお父様の言葉が一つ一つ雫となって私の心へと染み渡っていきました。

「はいっ…っ。おと…うさま…っ。」

私の出した声は震えていました。
頬を伝う生温かい雫。
止めようとしても一向に収まることがなく、呼吸もままならなくなってきました。

< 8 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop