パレット~私と君との1440日~



俺たちを乗せた車は、病院からスタジオへ。




今日は撮影をするわけじゃないんだけど、



復帰と報告をスタッフさんにするらしい。




まだ不機嫌な気持ちを残し、車を降りた。





「あっ、龍斗だ」




長く続く廊下を歩いていると、あちこちからスタッフの声が聞こえる。




堂々と大きい声を出すわけでもなくボソッと小さく。




その声に対して、笑顔を作り、軽く頭を下げていく。





これも俺の仕事でもあるから、何にも言えないけど。






正直言うと、めんどい。



< 78 / 121 >

この作品をシェア

pagetop