パレット~私と君との1440日~
キスをした後、
ベッドから降りて、自分のベッドに戻ろうとした。
そっと、龍斗が起きないように立ち上がる。
ーペシ
「きゃっ」
静かな病室に乾いた音が響き渡る。
それとほぼ同時に、私の声がもれた。
自分のベッドに戻るはずなのに、
なぜかまた、龍斗が使っていたベッドに戻っている。
一瞬、何が起きたか分からなかった。
だけど、私の腰辺りから伝わる体温で気が付いた。
ベッドの上で、龍斗と抱き合っていることに。