「1495日の初恋」
「…え?どういうこと?」
矢島くんは私を見た。
「別行動だって。私とだけど、ごめんね、矢島くん。」
「いや、全然いいよ!」
そう言って、にっこり笑ってくれる。
ああ、良かった。
良かった?
本当は…全然良くない…
上原くん…行っちゃった。
なんだか悲しくて、泣きそうになるのをぐっと堪えていた。
「上原さん、あのでかいタワーに行こうよ!!」
矢島くんはそう言うなり、私の手を握って走り出す。
「えっ、ちょっとまって…。」
「いいから、いいから!!」
「矢島くん!」
「いいから走れ!そんな顔してないで思いっきり走れー!」
そんな顔って?
…矢島くん?