「1495日の初恋」
ベッドの上で
気が付いたら、ベッドの上だった。
身体が熱い。
「上原さん、大丈夫?」
矢島くんが、私のおでこに手を当てる。
ぺたりと冷却シートが貼られた。
「矢島くん、ここは…?」
「うん、俺の部屋…。」
「えっ、どうして…。」
「上原さんの家に行ったんだけど、誰も出なくて…。」
ああ、そうだった。
今日は、親戚の家に行くって言ってた。
「だからそのまま、俺んとこに連れてきた…ごめん。」
「お家の方は…?」
「今日はみんな出かけてる…。」
「そっか…。」
身体が熱くて、話すと苦しくて、息が上がる。
「ごめんね。体調悪かったのに無理させて…これ、うちにあったやつだけど飲んで。」
出してもらった風邪薬を飲んだ。
ごめんね…せっかくの誕生日なのに…。