「1495日の初恋」
目が覚めたのは、夜だった。
矢島くんは、ベッドに頭を乗せたまま眠っている。
「矢島くん。」
「…ん?あ、起きた?」
矢島くんは冷却シートを剥がして、私のおでこに手を当てる。
「良かった…少し下がったみたい。」
「ごめんね、ありがとう。もう帰らなきゃ…。」
時間を見れば、もうすぐ7時。
「そうだね、送るよ。立てる?」
ゆっくり起き上がって、ベッドに座る。
頭がぐるぐるする。
それでもなんとか、立ち上がろうとした。
膝がガクンとして、後ろに倒れそうになる。
「上原さん!」
あっ…。
矢島くんの手が伸びて、抱きかかえられながら、ベッドに倒れこんだ。