「1495日の初恋」
矢島くんの息が、顔にかかる。
だけど、そこから先に進まない。
「ごめん。」
矢島くんの声が聞こえて、私は目を開けた。
「泣くなよ。」
えっ?
私、泣いてる?
自分でも気づかないうちに、涙がこぼれ落ちていた。
矢島くんは、私の身体から離れて立ち上がる。
私もゆっくり起き上がる。
矢島くんは、私に背中を向けていた。
「矢島くん?」
「俺…上原さんが好きで好きでたまらないよ…。」
振り向いた矢島くんの目には、涙がいっぱい溜まっていた。
「自分が、止められなくなりそうで怖い。」
矢島くんは、自分の顔を手で覆う。
「今こうしていても、本当はキスだってしたいし、触れたいと思う…。」
「矢島くん…。」
「こんなに好きになるなんて、自分でも思わなかった…。」
私はどうしていいかわからずに、矢島くんを見つめるしかなかった。