「1495日の初恋」

携帯、持ってくるんだった。

急いで出てきたから、部屋においてきちゃった…。


あまりの人の多さに気後れして、神社の裏手にまわる。

少し休んでから行こう。


神社の裏にある、公園のベンチに座った。


お正月早々何やってんだか。

情けなくて、ため息が出る。


バックから問題集を取り出して、単語でも覚えるかと、パラパラとページをめくった。




…‼

なにこれ?


問題集の上に、丸めたティッシュが飛んできた。


もしかして…?

「綾香?」

見つけてくれたんだと思って振り向けば、そこにいたのは…


ジャンバーのポケットに手を突っ込んで、寒そうにしている上原くんだった。



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