「1495日の初恋」
神様のいたずら
「上原くん!」
びっくりして大きな声が出る。
「お前、何してんだよ、こんなとこで。」
上原くんは、ポケットから丸めたティッシュを出して、私にぶつける。
「なにって…綾香たちとはぐれちゃって…。」
私は、上原くんの投げたティシュを拾って投げ返す。
「ああ、綾香たちなら鳥居のとこで会ったよ。」
上原くんは、私の投げたティッシュをひょいと避ける。
地面に落ちたティッシュを拾い、パンパンと砂を払ってポケットにしまった。
「なんて言ってた?」
「お前を探してるって言ってた。」
「どうしよう…。」
心配になって下を向いた。
「お前、携帯は?綾香が全然繋がんないって言ってたぞ。」
「急いできたから、部屋に忘れたの…。」
「相変わらずだな、お前って。何のための携帯だよ。」
上原くんは、私を見て優しく笑った。