「1495日の初恋」
逃避行
「自転車持ってくるから、そこで待ってろ。」
そう言われてしばらく待っていると、上原くんが自転車に乗ってやってきた。
「後ろ、乗って。」
「えー?二人乗り?怖いよ…。それに、私、重いし…。」
私がこんなに戸惑っているのに、上原くんは半笑い。
「結は、いちいちうるせーなー。いいから乗れ!」
えーい、もう、なんでもいいや!
自転車の後ろに乗った。
「つかまって。」
どこをつかまっていいかわからず、サドルを掴んだ。
「バカ、どこ持ってんだよ。」
上原くんは、後ろ手に私の手を掴んで自分の腰に当てた。
「ここ持ってろ。」