「1495日の初恋」
ここって言ったって…
胸がドキドキする。
私は指先で、上原くんのジャンバーをそっとつかんだ。
勢いよく走る自転車の後ろで、私は息もできないほど緊張していた。
冬の風は冷たいけれど、まったく寒さを感じない。
自分で自分のしていることが、全く理解できない。
考えても分からないから、目を閉じた。
頬に当たる風が冷たい。
ジャンバーに触れた指先は、ジンジン熱かった。
「ほら、着いたよ。」
私は目を開けた。
ここって…?
「ここなら、落ち着いてお参りできるだろ。」
上原くんが連れてきてくれたのは、小さな神社だった。