「1495日の初恋」
静かな佇まい。
人もまばらで、ゆっくりお参りができそう。
「俺、行ってくる。お参りする前にお前を探したから、まだ初詣ができていない。」
「あ、私も行く。」
参道を走って、長い階段の上に建つ社まで向かった。
上原くんは、カランカランと鈴を鳴らして、静かに手を合わせる。
私も隣に並んで、そっと手を合わせた。
お祈りし終わって横を向けば、上原くんもこちらを向いていた。
あ…。
目があった瞬間、心臓が恐ろしいほど
暴れ出す。
私は視線を外す。
「おわった?」
うんと小さく頷くのが精一杯。