「1495日の初恋」
大吉
「おみくじ引こうよ。」
階段下の売り場に行くと、上原くんが先に引いた。
続いて私も引いてみる。
中吉…微妙だった。
「上原くんは?」
ぴらっとおみくじを見せてくれた。
吉だった。
「吉だよ、普通。やっぱり大吉なんてでねーな。」
「そうだね、大吉…出ないね。出たらすごく嬉しいな。絶対大切にするんだけどな。だってね、私、今まで一度も大吉を引いたことがないんだよ。」
買ったおみくじを木に結び、手を合わした。
ずっと緊張していたからか、喉が渇いてしょうがない。
「なにか飲み物、買ってくるね。」
私は、少し離れた場所にある販売機まで走り出した。