「1495日の初恋」
部屋に戻ると、携帯の受信ランプが点滅していた。
綾香と美紀と、そして矢島くんからのメール。
上原くんとの時間は、夢の中のできごとで、一気に現実に戻ったような気がした。
「心配したよ。見つかってよかった。帰ったら連絡してください。」
私は急いで返信する。
「心配かけてごめんなさい。ちゃんと家に帰りました。」
一つ小さく息をはいて、メールを閉じた。
上原くんと一緒にいたなんて、誰にも言えない。
言えないことをしている自分に、居心地の悪さを覚えた。
私はどうしたいんだろう…。
自分で自分が嫌になる。
もう一度、メールを開いてみる。
私を心配して、何度もメールが来ていた。
ごめんね…矢島くん。