「1495日の初恋」
「…あのさ…。」
「あ、うん、なに?」
「いや…あのさ…あの…
…俺…上原さんのことが、好き…なんだけど…。」
「えっ…?」
それは、突然の告白だった。
「俺、ずっと上原さんのことが好きだった。」
どうしよう。
なんて答えていいのかわからない。
すると突然、矢島くんは繋いでいた手を離して、走っていってしまった。
「あ、矢島くん!!」
うそでしょ?
行っちゃった…
その場に一人とり残されて、呆然としていること数分。
矢島くんが、息を切らせて戻ってきた。
「こ、これ。」
大きな包みを渡される。
「なに、これ?」
「貯金箱。」
包みを開けると、私の腰ぐらいまである、大きなタワーの貯金箱が顔を出した。
「これ…大きくない?」
「だって、上原さんが欲しいもの、わかんなかったし、なんか思い出に残るもん、どうしても、渡したくて…。」
私は、なんだかおかしくなって、声を上げて笑った。