「1495日の初恋」

矢島くんとは志望校が一緒だということもあって、何かと話さなきゃいけない。

気まずいなんて、言ってられなくなった。


過去問を一緒に解いた。

わからない問題は一緒に考えた。



ねえ、矢島くん。

ずっと友達のままだったら、悩んだり苦しんだりしないですんだのかな…



上原くんが、藤崎くんと楽しそうに話している。

なんとなく目で追ってしまう。


「上原さん、ここわかる?」

矢島くんに話しかけられ、我に返る。



「あ、うん、これね…。」

問題集を解きながら、さっきの上原くんを思い出していた。




夕方の教室。



気がつけば、矢島くんと私の二人だけ。

問題を教えてあげていたら、いつの間にかみんな帰っていた。


< 121 / 388 >

この作品をシェア

pagetop