「1495日の初恋」
矢島くんとは志望校が一緒だということもあって、何かと話さなきゃいけない。
気まずいなんて、言ってられなくなった。
過去問を一緒に解いた。
わからない問題は一緒に考えた。
ねえ、矢島くん。
ずっと友達のままだったら、悩んだり苦しんだりしないですんだのかな…
上原くんが、藤崎くんと楽しそうに話している。
なんとなく目で追ってしまう。
「上原さん、ここわかる?」
矢島くんに話しかけられ、我に返る。
「あ、うん、これね…。」
問題集を解きながら、さっきの上原くんを思い出していた。
夕方の教室。
気がつけば、矢島くんと私の二人だけ。
問題を教えてあげていたら、いつの間にかみんな帰っていた。