「1495日の初恋」
「矢島くん!矢島くん!」
抱きしめられながら、私は叫んだ。
涙が溢れてくる。
みんなに言わないで行っちゃうなんて、絶対ダメだ。
「矢島くん、まだみんなどっかにいるから!ねえ、矢島くん!」
「もういいから、黙って!」
刺すように強い、矢島くんの声。
矢島くんの手に力がこもる。
「くそっ!」
矢島くんは私を離して、言った。
「ごめん、困るってわかってる、だけど、ごめん!」
指が私の顎先に伸びて、クッと掴まれ、上を向かされた。
矢島くんの顔が降りてくる。
アッと思って、目を閉じた。
今度こそ、絶対来るっ!