「1495日の初恋」
「上原とね、別れたんだ。」
「えっ?」
びっくりした…。
突然、上原くんの名前が出てきて…。
別れた?
なんで?
頭がパニックだ。
綾香は前を向いたまま、言葉を続けた。
「というか…もともと、付き合ってなんか…いなかった…。」
え?今なんて?
ハンカチを、ぎゅっと握りしめた。
綾香は、目に涙をいっぱい浮かべて、私の方を向いた。
「私がね、上原に付き合ってることにしてって、頼んだの。」
何も返す言葉がなかった。
ただただ、綾香の言葉に驚いて、ただただ綾香の告白に耳を傾けた。
「私は上原が好きだったから、どうしても付き合いたかった。でも、上原が好きなのは…私じゃなかった。」