「1495日の初恋」
すれ違ってばかりの私たちの想い。
どこにも向けられなくて、みんな苦しかった。
「結、今日、上原が高校の寮に入るって、知ってる?」
私は、首を横に振った。
「寮に入れば携帯も使えないし、外出も簡単にはできないんだって。今日会わないと、次、いつ会えるかわかんないよ。」
私は何も言えずに、下を向いた。
会いたい…。
だけど、上原くんには好きな人がいる。
「結、上原に言いたいことあるんじゃないの?」
えっ…?
私は驚いて、綾香を見た。
「3時の電車だよ。」
綾香は泣きながらも、一生懸命笑顔を作って話してくれた。
「これ、上原に渡して。餞別だよって。みんなからの。」
綾香…?
もしかして…知ってるの?
私が、上原くんを好きだってことを…。