「1495日の初恋」
届け、私の想い
「綾香…あのさ…。」
「いいから、早くいかなきゃ、間に合わないよ。」
綾香に話したいことがいっぱいあった。
だけど、うまく言葉にならない。
戸惑う私の背中を、綾香が押した。
一歩ずつ、上原くんに向かって歩き出す。
「結!私の自転車貸してあげるから、急いでっ!」
振り向いた私に向かって、綾香が自転車のカギを投げた。
キラッと光って弧を描き、私の手の中に舞い降りた。
「ありがとう。」
ギュッと握った手の中に、綾香の想い。
私は、唇を噛んで、自転車に乗った。
もう、矢島くんのときのように、後悔はしたくない。