「1495日の初恋」


私は、一歩も動けなかった。

涙はもう出なかった。



唇に残る、冷たいガラスの感触。

それが、私の初めてのキス。



風で吹き飛ばされた花びらが、私の手の中に舞い降りた。

私はそれをそっと握って、目を閉じた。

こんなにも、あなたが好き。



まだ身体に残る、上原くんの体温。

忘れたくなくて、自分で自分を抱きしめた。



私の初めての恋。


初恋の相手は上原くん、あなたでした。




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