「1495日の初恋」
「ふーん、遠距離か~。」
亜紀がニヤニヤしながら言う。
「会ってないの?」
「うん、全然会ってないよ。」
「会いたくないの?」
「そりゃ、会いたいけど…。」
「じゃ、会いに行けばいいじゃん。」
「やだよ、迷惑かけたくないし…。」
亜紀に、上原くんの高校の話をした。
全寮制で、ほとんど休みなく部活をしていること。
携帯も外出も禁止されていて、連絡も取りづらいこと。
「ふーん…全寮制か。もちろん女子もいるよね?だとしたら、毎日一緒に生活してるんだし、もしかしたら、親密になってる人がいたりして。」
「親密…。」
「だから、浮気してたりしてね。」
「えっ?浮気…。」
私は、亜紀の言葉にとても不安になった。
だって、上原くんとは何の約束もない。
「亜紀なら…どうする?」
「私なら?行くに決まってる!」
「そっか、そうだよね…うん、行くよね、やっぱり…。」