「1495日の初恋」
やっと選んだ服を着て、上原くんの高校に向かった。
電車で軽く一時間以上、最寄り駅からも30分ぐらいは歩くみたい。
あっついなぁ…
青い空を見上げる。
去年の今頃は、みんなで海に行ってたっけ。
もう、遠い昔のようだ。
緩い上り坂。
私が行ったら、やっぱり迷惑だって言われちゃうかな…。
不安になって足を止めては、せっかくここまで来たんだと、また歩き出す。
上原くんに会ったらなんて言おう。
久しぶりー!って、元気に明るく?
会いたかったって、乙女な感じでしおらしく?
ブツブツ言ってるうちに、見えてきた校舎。
あれかな…?
はっきりと姿が見えてくるにつれて、歩く速度が遅くなる。
なんか、怖いな…。
やっぱりやめようかな…。
緊張してきた。
手が、なんかもう、べったべた。
そうじゃなくても、この暑さで汗びっしょりなのに。