「1495日の初恋」
再会と約束
坂の上から、大っきな声が聞こえてきた。
前方から。ランニングの集団がみえてくる。
私は、道の端に避けた。
集団が通り過ぎるのをなんとなく見ていると、見覚えのある姿を見つけて、息が止まりそうになる。
…上原くんだ。
向こうも私に気づいて、驚いた表情のまま走り去っていく。
ああ、びっくりした…。
見えなくなっても、まだ心臓はドキドキしている。
手にも汗がびっしょりだ。
ああ…上原くんがいた。
会えた。
…嬉しい!
じわじわと、身体いっぱいに喜びが広がっていく。
背が少し伸びたみたい。
日に焼けて、真っ黒。
半年ぶりにみた上原くんは、すごく男らしく見えた。
もう、満足。
胸がいっぱい。
今日は、もうこれで帰ろうと、くるりと向きを変え、駅の方へ歩を進めた。