「1495日の初恋」
「おーーーい!」
えっ?
「ゆーーーーーーいーーーーーーー!」
ええっ?
上原くんの声がする。
びっくりして振り向けば、ものすごいスピードでこっちに向かってくる自転車。
私の前を通り過ぎ、キュッと横に向けて止まった。
「結!来てくれたんだ!」
上原くんは自転車に跨ったまま、弾んだ声で話しはじめる。
「びっくりしたよ、さっき、まさかと思って…。」
「あ、うん、来ちゃった…突然ごめん、迷惑だったよね…?」
私は緊張して、下を向いた。
あんなに会いたかったのに、もう恥ずかしくて恥ずかしくて、上原くんの顔…見られない…。
上原くんは、自転車から降りて私の前に歩いてくる。
「…ごめん。」
突然謝られて、びっくりした。
そっと顔をあげれば、ずっと会いたかった上原くんが目の前にいる。
あまりの衝撃に、心臓が身体を突き破る勢いだ。